フィンセント·ファン·ゴッホ

フィンセント・ファン・ゴッホは、オランダ出身でポスト印象派(後期印象派)の画家。印象派の美学の影響を受けながらも、大胆な色彩やタッチによって自己の内面や情念を表現した彼の作品は、外界の光の効果を画面上に捉えることを追求した印象派とは一線を画するものであり、ゴーギャンやセザンヌと並んでポスト印象派を代表する画家である。またその芸術は表現主義の先駆けでもあった。主要作品の多くは1886年以降のフランス居住時代、特にアルル時代とサン=レミの精神病院での療養時代に制作された。彼の作品は感情の率直な表現、大胆な色使いで知られ、ポスト印象派の代表的画家である。フォーヴィスムやドイツ表現主義など、20世紀の美術にも大きな影響を及ぼした。ゴッホは、画家を志した最初期は、版画やデッサン教本を模写するなど、専ら素描を練習していたが、1882年にハーグに移ってからアントン・モーヴの手ほどきで本格的に水彩画を描くようになり、更に油絵も描き始めた。初期の作品は、暗い色調のもので、貧農たちの汚れた格好を描くことに関心が寄せられていた。特にジャン=フランソワ・ミレーの影響が大きく、ゴッホはミレーの「種まく人」や「麦刈る人」の模写を終生描き続けた。ゴッホは、記憶や想像によって描くことができない画家であり、900点近くの油絵作品のほとんどが、静物、人物か風景であり、眼前のモデルの写生である。自然を超えた世界に憧れつつも、現実の手がかりを得てはじめてその想像力が燃え上がることができたといえる。

(1853年3月30日 – 1890年7月29日)

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